戦前生まれという方ではない限り、水道という存在は当たり前にあるものとして認識しているはずです。そしてそれが当たり前すぎて、水道の構造については全く不思議に思わない方も多いでしょう。しかし、よくよく考えてみてください。蛇口をひねるとすぐ水が出る水道のしくみは、当たり前のようで「なぜ?」と思ってしまいませんか。そしてそれを考えれば考えるほどに、理解不能になっていくものだと思います。では、その水道のしくみについて簡単にご説明致しましょう。
まず水道から水が出るためには必ず「水圧」が必要です。その水圧はどこから発生しているのかというと、実は大元の浄水場から。かといって浄水場に水圧を作り出す機械が存在しているのかというとそうではなく、高地から水が重力によって押し出されるのを利用して水圧を作り出しています。それが蛇口を捻ると勢いよく水が出ることの大きな要因の一つです。
ではその逆の仕組み、つまり蛇口を捻ると水が出なくなってしまうのはどのような構造になっているのでしょうか。これについては、蛇口の内部に取り付けられている「パッキン」が大きな役割を果たしています。パッキンは伸縮性の高い素材によって作られていることから、蛇口を捻ることによってそのパッキンが水の通り道を防ぎ、水の出る力を抑制したり、完全に水を止めたりすることが可能になっています。これが水道のもう一つの仕組みの手の内です。
これらのことから、水道は大元の水圧、そしてその水圧による水の流れをストップする蛇口の内部のパッキンによって作られていると言えるでしょう。こう考えてみると、不思議に思えた水が出る仕組みもそれほど不思議ではないと理解できると思います。普段何気なく使用しており、その不思議さに気づかなかった水道であるものの、その仕組みを知ればやっぱり水道は複雑な構造をしていなかった、そう捉えてもらい、より水道が身近なものになれば幸いです。